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――触れたい手――Фの住民と―・・・

――触れたい手――Фの住民と―・・・



「はぁ〜。」

このため息は、キャラクターのぬいぐるみから、古典的な機械仕掛けの人形が飾られて

いる部屋の、ベッドから聞こえる。

この瑞希の部屋は、大きな窓がひとつある。そこから、外の月明かりや星の煌きが侵入

してくる。

今日の夜も静かに輝く月や、万単位の星達。

「結局あのまま一人で帰ってきちゃったよ・・・。」

独り言のように聞こえるこの声は、空の住民、月や星が、ちゃんと聞き入れてくれている

のだ。

「今頃達也は、どうしてんのかなぁ。」

あいつちゃんと生きてるのか?と心配になる瑞希に、何か問いかけているかのように

1人の星が流星となって、空を滑った。

「あっ流れ星。」

そっかぁ・・・。大丈夫だよ。

ちゃんとやっていける。

祈らなくても大丈夫だよね。

ありがと。

瑞希は心の中でつぶやいた後、明日のために早く寝た。



この瞳が開く翌朝には、もう既に・・・

冷戦が始まっているとは知らずに―――・・・。

――触れたい手――Π嫐ありな謝罪

――触れたい手――Π嫐ありな謝罪


日も傾き始め、徐々に気温が低下。

とは言っても、涼しいとは絶対にいえない。

でもこの日光を浴びていると見も心も癒されてくる。

今日もコレで満足。そろそろ帰ろう。

「達也、うちよってく?」

100%うなずくと確信して、もう既にそれを前提として色々計画を立てていた。

まずはお茶でもしてリラックス。その後達也について色々聞き出す。そしてなんで私につ

いてくるのかを絶対に聞き出す。

しかしそれはすべて水の泡になって海の果てに流れ去った。

「あっ僕は大丈夫です。此処にいます。」

にっこりと意味深なことをさらりと・・・・・・

「えっ?家に帰らないの?」

「まだ帰りません。と言うよりまだ帰れませんといったほうが妥当かな?」

思わず、もう座り込み頭を抱えていた。

イヤ・・・・違う考えるな。これはただ家庭の事情だ。ご飯ができるまでまだ家に帰れな

いんだ。きっとそうだ。そうに決まってる。

・・・・・・・・・・そう決めたのに、立ち上がれない。

立てよ。もう解決したんだ。なにも気にすることはない。

でもなんだこのモヤモヤ感。

気になる―――

ってさっき「一生かけて知る」って決めたじゃないか。

しゃがみこむ瑞希を上から達也が見下ろす。

すると顔が一変し、とても・・・・・・・・・・哀れだ・・・。

「瑞希さん。ごめんなさい。僕なんかのために・・・。」

小さくつぶやいた。

悩む瑞希には、虫の会話程度の音量でしか耳に入らない。

それも一瞬の風のざわめきに混じって――・・・。




――触れたい手――ト妙な距離感を・・・

――触れたい手――ト妙な距離感を・・・


「瑞希さん。空綺麗ですね。」

堂々と大空を見上げる姿は、見るからに喜びと嬉しさがあふれ出ているようだった。

その根拠の分からない、喜びと、嬉しさ・・・・欲を言えば、達也自身について、もっと

知ることができれば・・・・この私と達也の微妙な距離感も縮めることができるのかな。

どうせ関わりあうのなら、遠くにいるより、近くにいるほうがいいでしょう。

今は信じられないけど、達也は一生ついてくるらしい。

一生かけてでも、達也について1つでも知ることができるのなら、この先苦労しない

かな。

やっぱりまず、どうして私についてくるのかが無償に知りたい。

――触れたい手――そ襪気感じれない

――触れたい手――そ襪気感じれない



炎天下の中、瑞希の首筋に汗が伝う。

瑞希はふと思った。この暑い中、達也は汗ひとつかいていない。

暑そうな顔もしていない。

どうしてなんだろう・・・・・・。

「達也。なんでそんなに、涼しげな顔していられるの?」

達也は一瞬ためらった。でも、何かを捨てるように、話してくれた。

「僕暑さを感じないのです。」

――――――――――・・・?!

えっ?暑さを感じないの・・・?

この炎天下の中で・・・。

イヤ・・・そういう問題じゃない。

何処にいても温度を感じないということだよね?

悩み考える瑞希を、達也が止めた。

「今は気にしないで下さい。いずれ分かりますから。」

って言われてもさぁ。余計気になるよ。

でも考えすぎるのも良くない気がする。



――触れたい手――6制命令下される

――触れたい手――6制命令下される


私だけって・・・・そりゃイキナリ話しかけられたら誰だって振り向くよ。でも私だ

け・・・。

「もし私が嫌って言ったら?」

気を取り直そ。

おかし笑いしながら聞いてみた。

少年は微笑を保ちながら、少々荒めに言った。

「言わさせません。これは強制です。でないと、あなたに一生取りつきますよ。貴方が

死んでもね。」

「へ・・・へへ・・・・そっかぁ・・・。」

なんか厄介な人に出逢ったなぁ。

でもなんだか不思議なことが起こりそうな予感。根拠はないけれど、少年の言葉に引っか

かる。ただそれだけ。

悪い人でもなさそうだし、少しだけこの少年に乗っかってみるのもいいかもしれない。

瑞希はいいよと言う代わりに笑ってみせた。

それにつられて少年も笑う。

「少年の名前は?」

「宮守 達也(みやもり たつや)です。」

「そっかぁ。じゃぁ達也ね。私は佐伯瑞希だから。」

「それでは瑞希さんと呼ばさせてもらいます。」

「なんでもどうぞ。」

――触れたい手――∨佑琉貔

――触れたい手――∨佑琉貔


全身を襲う鳥肌に逆らいながら恐る恐る振り返る

「おどかしてすみません。」

そこに立っていたのは、瑞希と同い年くらいの少年だった。

爽やかで感じのいい少年。

ただただ驚いている瑞希に少年は続けてこう言う。

「いつもこの道を通ってますよね。」

「は・・・はい・・・。」

ふ〜ん、この少年も、この道の常連なんだぁ。

っていつもこの少年見かけたっけ?この道は私だけの道だと思っていたのに・・・。

「あなたもこの道よく歩いてるの?」

「毎日歩いてるよ。」

ハニかんだ笑顔で少年は答えた。

「僕の勝手な考えですが、そしてイキナリですが、僕は貴方に一生ついてゆきます。」

突如真剣な眼差しに変化した。

「は?え・・・・ついてゆきます??」

この暑さで、我を忘れているかのように、瑞希は冗談半分な話に聞こえた。

「僕の一生を貴方に託します。だって・・・・振り返ってくれたのは貴方だけです。」

意味深そうな言葉が次々に並べられる―――


――触れたい手――|もいない小道の散歩

――触れたい手――|もいない小道の散歩


炎天下

煌々と照らす光 太陽に背を向けて 暑さを感じ

今日も誰もいない小道を散歩する

「はぁ今日も暑いなぁ。」

独り言をつぶやきながら 散歩しているのは

『佐伯 瑞希(サエキ ミズキ)』。

ちなみに16歳。高校1年生。

木陰に腰を下ろして少し休憩。耳を澄ませば色んな虫の合唱が聞こえてくる。

瑞希に恋とかはイメージが浮かばず 今まで彼氏と付き合ったこともない

でも 興味がないわけじゃない

トラウマがあったりするわけでもない

ただ

ピンとくる人がいないだけ

友達はたくさんいる

こんな純粋な女の子に友達がいないわけない

「あのぉすみませぇん。」

ぼぉーっとしている瑞希の背後から

声がする

この周辺には誰もいなかったはずなのに―――・・・。

――触れたい手――更新!!

――触れたい手――



幻覚?

幽霊?

なわけないよね

だってさ

感じたよ

愛を感じた

アリエナイくらいの恋

この小さな小さな領域で

青空の下で 太陽の光を浴びて

触れない手を 今日も確かめて

今日こそは

貴方と触れていたい

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